カテゴリー別アーカイブ: 蔵元紹介

「岩手県 赤武酒造」これぞ岩手のニュージェネレーション!

先日、はせがわ酒店本社にて、岩手県 赤武酒造 杜氏 古舘龍之介さんにセミナーを行って頂きました。

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★実はでっかい岩手県★

北海道に次ぎ、国内2位の面積を誇る岩手県。その広さは四国がスッポリ納まってしまうほどです。

そんな広い岩手県の東側、海に面した大槌町赤浜にて、もともとは漁師であった先代古舘武兵衛が、明治29年に創業しました。蔵の場所と先代の名前を文字って「赤武酒造」が誕生しました。

 

★多くを失ったあの日★

古舘さんは高校時代、空手でインターハイに出場するほどのスポーツマンでしたが、大学選びの際、東京に出たかったことと、せっかく学ぶのであれば身になるものを学ぼうと、酒蔵である家業を継ぐことを意識し、東京農業大学に通い始めます。そんな大学生のある日、思いがけない出来事が起こりました。

平成23年3月に起きた、東日本大震災です。

蔵のあった岩手県大槌町は海に面しており、その被害は甚大なものでした。父親で代表の古舘秀峰さんから「もう酒造りができない。東京でどこか就職してくれ。」そう言われた時は、頭の中が真っ白で何も考えられない状況だった、とても再び酒造りができるとは思っていなかったそうです。

震災から2か月後の平成23年5月、同県盛岡市に仮工場を移し、リキュールの製造を始めます。周りの反対を押し切っての再出発だったそうです。さらに同年12月、岩手県内の他の蔵元さんの設備を借りながら、製造技術を学びつつ、かつての銘柄「浜娘」の再出荷を始めます。

そして平成25年、新蔵を建て、ついに震災後初の赤武酒造としての酒造りがスタートし、さらに1年後、平成26年ついに古舘さんが蔵に入り、いよいよ新体制での酒造りがスタートします。

 

★「1、人 2、衛生 3、酒造り」★

蔵に入った古舘さんは、自分のような若い世代にも、かっこよく美味しい日本酒を飲んでほしいと新ブランド「AKABU」を立ち上げます。ラベルのデザインも同蔵の蔵人が手掛けます。

まったくの素人からの酒造り。幸い蔵の隣に、県内の物造り支援を行っている「岩手県工業技術センター」があり、1日のうちに何回も通い、「電話をすれば5分で来てもらっていました。」と、当時の酒造りを思い出し苦笑しながらおっしゃっていました。

目指す酒質はフレッシュで綺麗な味わいのお酒。そんなお酒を造る為に一役買っているのが震災後に建てた新蔵です。こちらは、酒造りをする蔵ではなく、食品工場の造りを参考にしています。入り口を2階に造ることで害虫やホコリの進入を防ぎ、廊下の床下角を丸くすることで角にゴミやホコリが溜まりにくくなっています。

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意識しているのは衛生面だけでありません。働く人間の事も考えた酒造りをしています。蔵内の水道からはお湯がでるようになっており冬場の作業のケアを、働く時は必ず2人1組で働き、安全面も気を付けています。さらに、驚かされたのが、なんと赤武酒造は完全週休2日制!!造りのシーズンで完全週休2日制!!しかも夜中の室の作業なども、造りの工程を練りに練った結果必要なくなったそうです!「父がそういった働き方をきちんと管理してくれているので、自分は酒造りに集中できています。」とお話ししてくださいました。働く人のことを考えケアし、みなが万全の状態で酒造りに臨めるからこそ、近年の「AKABU」のめざましい活躍に繋がっているんだと感じさせました。

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手探りながらも毎日研鑽を重ね製造をしていく過程で、その酒造りはどんどん洗練されていき、古舘さんが造りに携わりわずか2年にも関わらず、SAKE COMPETITION 2016にて「AKABU」が次々とGOLD、SILVERを獲得します。その後のSAKE COMPETITION 2017、2018でも軒並みノミネートを続け、岩手の代表銘柄の仲間入りを果たしたと言っても過言ではなくなりました。

 

★以下、上写真左よりテイスティングコメント★

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赤武 純米 旨みのふくらみを感じるも後にキレがあり、食中も◎な味わい。

赤武 純米吟醸 メロンを思わせるフルーティさと甘味、旨みのボリュームある酒質。

赤武 純米吟醸 山田錦 上品な香りとふくよかな旨み、旨口好きにはたまらないお酒。

赤武 F ほのかな吟醸香と甘み、キレよく家に常に置いておきたい1本。

赤武 純米大吟醸 極上ノ斬 エレガントな旨みと香り、透明度の高い純米大吟醸。

これだけ評価され、すばらしい酒質のお酒を世に出している古舘さんですが、自分なんかはまだまだだと上を向く姿勢は崩しません。「課題もありますし、今後の取り組みとして、蔵人ひとりひとりのスキルアップや、地元農家との契約栽培などもしていきたい」と語る古舘さんは、やる気に満ち溢れていました。

社員全員の合言葉は「赤武酒造の新しい歴史を創る!」。時代に合う酒造りを理解し、岩手から情熱と愛情と根性で醸す酒「AKABU」を造りあげています。新しい時代に受け継がれていく日本酒を目指して日々進化する酒造りを行っています。「AKABU」は、今後の新たな日本酒時代をけん引していって下さること間違いなしです!この機会に是非お試しください!!

→ご購入はオンライン店からどうぞ

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【蔵元情報】

赤武酒造株式会社

〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡1-8-60

TEL:019-681-8895  FAX:019-681-8897

HP:https://www.akabu1.com/

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「茨城県 府中誉株式会社」僅か14グラムからのスタート

先日、はせがわ酒店本社にて、茨城県 府中誉株式会社 代表取締役 山内孝明氏にセミナーを行って頂きました。

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★府中とは?★

蔵元名にもなっている「府中」ですが、茨城県が常陸国と呼ばれていた奈良平安時代、蔵のある石岡市に国府が置かれ、「府中」と呼ばれていた事に由来しているそうです。同様の理由で、現在茨城県以外にも、全国には「府中」と呼ばれている地域があります。

★茨城県は〇〇が盛ん!★

「ところで茨城県といえば何を思い浮かべますか?」

と私たちに問いかけた山内氏。「この紋所が目に入らぬか!?」で有名な水戸黄門や、水戸納豆などが思い浮かびますが、開口一番「47都道府県人気ランキングで5年連続最下位なんです。」と笑いながらおっしゃっていました。しかし、全国1~3位の産出額を誇る農産物が豊富で、非常に農業が盛んな地域であることを教えて下さいました。

★府中誉はこんなお酒★

府中誉といえば、酒米の最高峰「山田錦」の親としても知名度の高い「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を使用した日本酒です。

そのお酒は、1996年全国新酒鑑評会で初めて金賞を獲得、2017年にはインターナショナルワインチャレンジにて純米吟醸部門で金賞を、さらに2018年のSAKE COMPETITIONでは、はせがわ酒店賞を受賞するなど年々注目度は上がっています。

★種籾求めて三千里・・・★

今では様々な蔵で使用され、目にする機会も少なくはない「短稈渡船」ですが、今日に至るまでは苦難の連続でした。

1989年、勤めていた会社を退職され、実家の酒蔵に戻った山内氏は、

「地元農家が育てた酒米で、日本酒を造りたい。」と、考えておりました。

茨城県といえば全国屈指の農業県でありながら、酒米の栽培実績がほとんど無い状態でした。そんな中、地元農家の方から、全国どの農家でも栽培されなくなった酒米「短稈渡船」を以前先代が育てていた事があると教えてもらいます。それまで全く耳にしたことのなかった酒米に面白さを感じ、山内氏はこれを活用しない手はないと考え、種籾を探しに全国を飛び回ります。

しかし、どこを探し回っても渡船は見つからず、これはだめかもしれないと思っていました。その矢先、地元茨城県のつくば市にある、農業生物資源研究所(現農業・食品産業技術総合研究機構)に種籾が保管されているとの情報を得ます。

早速種籾を分けて頂けないか伺うも、国の研究機関を相手取っての交渉は難航しました。しかし、何度も通い続けるうちに山内氏の熱意が伝わり、ついに試験栽培の許可を得ます。その時、分けて頂いた種籾の量はなんとたったの14グラムだったそうです。

早速地元の農家協力の下、作付けを開始します。「短稈渡船」といえば、病弱で発育が遅く、他の酒造好適米に比べると栽培が難しいことで知られています。1989年から2年かけて種づくり、そして苦節の末、1992年にようやくタンク1本分のお酒を仕込むことに成功しました。

超軟質で溶けやすく、吸水コントロールが難しい、さらには高精白に向かない「短稈渡船」。しかし、初めて出来上がったお酒はとても美味しく、「おそらくビギナーズラックです。」とにっこり語ってくださいました。

★酒質向上の為、ワインから学んだこと★

そんな府中誉の酒造りの合言葉は

「造り半分、詰め半分」

酒造りは搾りで完了ではないと強くおっしゃっていました。

ワインの造りをご覧になった時、醸造過程よりも搾った後の貯蔵や熟成に神経を使っていることに気が付きました。これを日本酒の製造に持ち込めば、さらに酒質の向上が図れると考えたそうです。

搾る際、従来のポンプではなく、ワイン用のポンプを使用することで、「揺らさず、ストレスを与えず」お酒を搾ります。さらに、高気密タンクへ移動させ、食添用窒素をタンクの空洞部分に充填し、「空気に触れさせない」ことでお酒の劣化を防ぎます。

タンク火入れは行わず、瓶詰めされたお酒は、その後瓶燗、急冷を経て、全量冷蔵瓶貯蔵されます。その為、多少ガスが残っているお酒もありますが、これはお酒が丁寧に瓶詰めされ保管されていた証拠でもあります。

「人に寄り添い、思わず笑顔が浮かぶ」そんなお酒を醸すことを目指している山内氏。だからこそ、お酒に対してどこまでも丁寧に真摯に向き合い続けているのだと感じました。それが、近年様々なコンクールでの受賞に繋がっているのではないかと思います。

 

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★テイスティング★

※画像左より

渡舟 純米吟醸五十五 ほのかに香る吟醸香が心地よく、爽やかでキレがいいです。

渡舟 純米吟醸 ふなしぼり 瑞々しいマスカットのような香りと芳醇な味わいが印象的です。

渡舟 純米大吟醸 Premiumu30 煌びやかで華やかな香りと、非常に上品な米の旨みある味わいです。

渡舟 直汲み純米吟醸 キレと繊細さを兼ね備え、直汲みならではのフレッシュさが特徴的です。

太平海 特別純米 ほのかな吟醸香と、すっきりした酸味で食中にオススメです。

太平海 純米吟醸1314 13度原酒ならではのライトさと爽やかさ、さらに米の旨みで飲みごたえもあります。

どの商品も大変素晴らしいバランスで、造りのこだわりを感じられるお酒でした!

今後もみなさんに寄り添い、笑顔にさせる日本酒を作ってくださること間違いありません!!飲んだことのある方も、そうでない方もこの機会に是非試されてはいかがでしょうか!?

→ご購入はオンライン店からどうぞ。

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【蔵元情報】

府中誉株式会社

〒315-0014 茨城県石岡市国府5-9-32

TEL.0299-23-0233 FAX.0299-23-0234

HP.http://www.huchuhomare.com/

富士酒造のセミナーが行われました

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先日、有楽町本社で出雲冨士を醸す富士酒造のセミナーが行われました。

富士酒造は 出雲杜氏の伝統の技術を尊重し、人と人、人と食の良き縁を結ぶ出雲の地酒として、コメの持つ特徴を生かした素直で清い酒造りを目指しています。
そのために、一番大事なことは    だと今岡杜氏は話します。

以前は酒質の向上に対して、設備投資に目を向けていたそうですが、数年前から設備投資だけだは限界を感じ、ふと立ち止まった時に、一緒に酒造りをしている    を育てなければ、と思い至りました。「 いい人 が いい酒 を造る … そして いい会社 を作りたい。 」 それ以来、積極的に蔵人とのミーティングや日本酒×鍋を囲う機会などを設け、コミュニケーションを図っているそうです。

 

富士酒造は島根の自然の爽やかな空気に溶けこんだ蔵でお酒を仕込みます。

使用しているお米は95%が島根県産で、水は島根県東部にある神話ヤマタノオロチ伝説の舞台となった特に斐伊川(ひいかわ)の伏流水を使用するなど、島根県産に愛をもってこだわっています。

特に地元の米農家の方達が作った米に付加価値を付け、喜んでもらえるようなお酒を造る使命感を感じていて、ここでも  人  に対する思いの熱さをひしひしと感じました。

酵母について、現在、島根大学と共同研究で 出雲酵母 を開発中で、こちらもこれから非常に楽しみとのことでした。

出雲冨士が造る、島根愛の詰まった日本酒、ぜびご賞味ください。

 

出雲冨士PickUpページはこちら

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第一回「朝日米サミット」開催しました!

数年前よりはせがわ酒店では「朝日米」に注目しています。代表の長谷川が全国各地の蔵元様のご理解とご協力を得て、このお米を使用したお酒の商品化に努めてきました。

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年々取り扱う商品も増えてきた事もあり、もっと広くこのお米の事を知っていただく為、イベントの開催を決定。2018年3月20日に有楽町の東京交通会館で全国の蔵元様をはじめ、飲食店様、酒販店様を対象とした「朝日米サミット」が行われました。

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当日は、新中野工業の為久様による原料処理の観点から見たお米の特性や、新澤醸造店の新澤社長と清水清三郎商店の内山杜氏によるそれぞれの蔵での仕込み方の説明があり、最後に”東一”元製造部長で今は萬乗醸造および松本酒造の顧問を務める勝木先生から朝日米との出会いやその特長のお話がありました。

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参加された蔵元様達も熱心に聞き入ります。

飯米として優秀な朝日米は酒米としてのポテンシャルも秘めたお米ですが、お話を聞いていると、酒造りに最適な米質を得るためには、栽培方法や収穫後の管理、処理方法にはまだまだ伸びしろと改善点が有るとの事です。現実には生産者が思い思いに育てたり、造ったりしている状況。「この朝日米でいいお酒をつくるにはどうすれば良いか?」という課題を共有し、農家、農協、精米会社、蔵の間での活発な情報交換やディスカッションを生み、米質を向上していくことが今後の酒質向上の鍵になりそうです。今回の「朝日米サミット」がそのきっかけとなればいいなあと思いました。

勉強会の後はきき酒会となります。皆さん真剣です。

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午後からは飲食店様、酒販店様も参加し、会場の熱気が一気に上がっていきます!

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実際に造っている蔵元さんに朝日米の印象を教えていただきました!!

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みむろ杉を醸す今西さんは朝日米で醸す今西ブランドを立ち上げました。「僕らの目指す、爽やかな透明感があってキレのいい酒質に朝日米は上手くハマってくれます。仕込んでいて全然違和感がありません。」このお米のクセがなく素直なキャラクターは酒造りを行う上で扱いやすく好印象の様です。それだけに仕上がるお酒の味わいも高評価を得ています。リリース初年度はあっという間に完売。2期目は増産して、より多くの方に届くように対応しています。

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純米大吟醸と純米の2種類の寒紅梅を醸す増田専務は「香り高く仕上げる純米大吟醸、味わい重視の純米酒、どちらも酸が出るのが特徴です。そして寝かせるよりはフレッシュな内に楽しむのをオススメします。」との事。勝木先生に師事し、初めて朝日米を仕込む時も学んだノウハウを活かす事が出来たそうで、朝日米の仕込に対しての自信がうかがえました。

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一方でわしが國を醸す伊藤専務は朝日米が新たな日本酒ファンを生み出す事にも期待しています。「初めて飲むお酒はなるべく綺麗で上質なものであって欲しいので純米大吟醸で醸しました。純米大吟醸でもお手頃価格を実現出来る朝日米はエントリー酒として最適。純米大吟醸のエントリー酒という新たな入り口は、より多くの人に日本酒の美味しさを気付かせてくれると思います。この価格を地元米でやろうとするとタンパク質のより多い飯米となってしまい、酒造好適米だと価格が折り合いません。」とのこと。

ちなみに”わしが國”というのは元々地元で展開していたブランド。肩肘を張るのでなく日常での飲用シーンに溶け込んだ存在です。毎日の晩酌などカジュアルに楽しむ純米大吟醸としてもオススメですよ。

 

▼「朝日米」の日本酒をオンライン店で販売中です(^_-)

https://www.hasegawasaketen.com/eshop/products/list.php?name=asahimai&mode=search

 

【豆知識:朝日米について】

コシヒカリやササニシキの祖先にあたり、品種改良されていない希少な在来品種。かつては「西の朝日」「東の亀の尾」と言われ、美味しいお米の代名詞となりました。大粒で、ふくよかなあっさりとした味。余分な粘りがなく、ぱらりとほぐれる食感。冷めても美味しく、寿司職人の厳選品とされる事も。

現在では岡山県のみで栽培されています。病気にかかりやすく、背丈が高く倒れやすい。風や収穫時の振動で脱粒しやすいなど栽培が難しい面もありますが、酒造りへの適正、潜在能力に日本酒業界を牽引する蔵元や米問屋から大きな期待が集まっています。

 

 

 

 

「東魁盛」小泉酒造を訪ねて

蔵を訪れると、まず目に飛び込んでくるのは「ソムリエハウス酒匠の館」。周辺の観光スポットとなっており、お酒やおつまみなどの購入の他、ガラス越しに、蔵の内部を見学する事が出来ます。

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しかしながら圧巻なのはスペースの壁面に所狭しと飾られた賞状の数々。全国新酒鑑評会をはじめ、蔵が獲得してきた輝かしい経歴に、ここを訪れた誰もが目を見張るに違いありません。冗談交じりに「小さな蔵だけど賞状とトロフィーの数だけはどこにも負けません」と十三代目当主の小泉平蔵さんが語るのもうなずけます。

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小泉酒造の創業は寛政5年(1793年)。昭和初期より冷蔵庫を蔵内に作ってお酒の品質向上に努め、さらに周りに先立って当時先進的であった吟醸造りに力を入れています。そのより良いものを追求する気風は今も脈々と受け継がれ、SAKE COMPETITION2017において純米大吟醸部門の2位を受賞したのは記憶に新しいところです。

そんな大吟醸造りに定評のある小泉酒造ですが、実は米作りから一貫して酒造りを行う、ドメーヌ蔵としての一面も持っています。現在酒造りを取り仕切り、将来14代目となる小泉文章専務を中心に、蔵人4人で米作りから酒造りまで全てを行っています。

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田んぼは粘土質。全て五百万石を栽培しており、4カ所ある田んぼの収穫からタンク4~5本分のお酒を仕込んでいます。自社田は蔵に近接しており、一番近いところで歩いて1、2分の距離です。何かあれば直ぐに気付き、対応が出来る距離ですが、それでもやっかいなのが野生の動物たちの存在です。

蔵周辺では特にイノシシの出没が相次ぐ為、田んぼだけでなく、仕込蔵の裏手まで電気柵で囲わなければならないほど!田んぼへは泥遊びで入ってしまい、その結果稲を荒らしてしまうそう。また、食害の原因となる鹿も生息しており、柔らかい葉を好むためキャベツなどの野菜ではなく、穂が出る前の稲が被害に遭ってしまうようです。その他猿の出没なども有り…なかなか一筋縄ではいきません。また、良い酒米を得るための田んぼ造りにおいても課題が多く有り、直ぐに改善出来ないもどかしさも感じているとの事でした。

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苦労をしつつも酒米を自分たちの手で栽培する理由は、毎年変わる米質が分かる事。その年の天候や、田んぼごとの置かれた環境の違いによる影響はもちろんの事、1枚の田んぼの中でも場所によって米質は異なるそうです。買ってきた精米済みの酒米からは決して知る事の出来ないそういった情報を酒造りに活かせる事が、大きなメリットとなっています。

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蔵のすぐ隣には川がありますが、その昔洪水を引き起こし、増水した川の水が蔵を襲ったため、現在の仕込蔵は敷地の中でも一段高い位置に建っています。昔の蔵には当時使用していた和釜が残っており、蒸し米作りではなく普通酒の火入れに今も活用しています。その他敷地内には小泉酒造が大きく発展を遂げた明治期に建てた土蔵や煙突も見る事が出来ます。

蔵正面

その反面、現在の仕込蔵は、とてもコンパクトにまとめられ、作業を効率的に行う事が出来そうな印象を受けます。

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基本的な事ですが酒造りに使う道具は特に徹底して洗うそうで、絶対に気を抜かないようにしているとの事。数多くの受賞歴を持つ理由を伺ったとき、「基本を忠実に守る事」だと教えていただきました。基本をおろそかにしない事はもちろん、基本を守る意味までしっかりと理解し、造りに臨んでいるんだろうなと感じます。

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そんな小泉酒造が目指すお酒は「飲み飽きしない酒」。東魁盛を味わうと、綺麗な香りとほんのりと甘さを伴う優しい口当たりに思わず頬が緩みます。滑らかな旨味が広がり、最後はドライなキレを持った好バランス。お料理と合わせればその旨味を引き出し、もう一杯と杯が進みます。文章専務は「まだ、理想の味わいを具体的にイメージ出来ているわけではないんです。造りながら探っている段階です。」と仰りながらも、東魁盛には多くの人に受け入れられそうな可能性を感じずにはいられません。

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(優しい雰囲気の小泉文章専務。まだ30代でこれからにも期待大!)

千葉県のお酒というと具体的なイメージを持っている方はまだまだ少ないかもしれません。しかし、少しでも興味を持っていただけたらお試しされる事を強くお勧め致します。特に東魁盛には、こんなお酒があったんだときっと驚いていただけますよ(^_-)!

▼「東魁盛」のご購入はこちらから

https://www.hasegawasaketen.com/eshop/products/list.php?category_id=551

 

「福祝」藤平酒造 を訪ねて

美味しいお酒には良い水の存在が欠かせません。

今回ご紹介する藤平酒造のある、千葉県君津市久留里では街を歩けば、こんこんと湧き出る井戸がいたる所に見られます。「平成の名水百選」にも選ばれたその湧水を求め、地元の方をはじめ県外からも汲みに訪れる人達が絶えません。古くは城下町として栄え、豊富な水に加えて稲作が盛んであった事から、現在もこの小さな街で4蔵が酒造りを営んでいます。

蔵正面

藤平酒造では20年前より跡継ぎの兄弟が中心となって「福祝」を醸してきました。蔵を案内して下さったのは、優しい話し方と笑顔が素敵な藤平淳三常務。酒造りの要である麹造りを担当しています。

福祝では「山田錦」「雄町」を初め、各地の様々な酒米でお酒を仕込みますが、近年では北海道産のお米、「彗星」や「きたしずく」も使用しています。少しずつ知られるようになってきてはいますが、まだまだ珍しいこの2つの酒米に対して、淳三さんは「固めだけど溶けにくいので綺麗な味わいを表現しやすいです。その中でも彗星は味があり、きたしずくはキレよく仕上がる。さらに秋になっても味が伸びて、ダレにくい印象を持っています。久留里の水は発酵力の強い中硬水なので、硬めの米質には相性が良いのかもしれませんね。」と仰っていました。

麹

「福祝」の酒造りで特に大事にしているのは「洗米」だそうで、今、酒造りでは主流となっているウッドソン製の洗米機と特製のシャワー(十四代の高木酒造考案!)でムラ無く仕上げます。

現在の蔵は大正時代に建てられたものですが、内部には工夫を凝らしています。例えば醪を置くスペースは独立して仕切られており、空調で冷やされています。その為、気温があまり下がらない地域ながら、低温でゆっくりと発酵させる事が可能です。

そのおかげで旨味が感じられながら綺麗でキレの良い酒にする事が出来ます。また以前は、搾りの際に槽(ふね)を用いていましたが、現在はヤブタを使い、お酒にフレッシュ感を残しています。

洗米

そしてさらなる品質アップの為、徐々に設備投資も進めていくそうです。現在、米を蒸す釜はバーナーですが、コントロールのしやすいボイラーに変える予定で、さらに水気のたまりやすい甑(こしき)の底にはステンレスの網を設置する事で理想的な蒸し上がりを狙います。また、火入れは半切り桶に瓶を並べて行っていますが、ケースごと作業が進められるよう特製のラインを設置するそう。

半切り

今回お話を聞く中で、「酒造りは本当に大変な事ばかりです。だけど品質の為にはそれが必要ですから」と仰るシーンがありました。気負わずも強い意志を感じさせるその言葉に、蔵元の酒造りに向き合う真摯な姿勢と、造り手としての自信を感じました。

久留里の名水を武器に、酒質向上に余念の無い藤平兄弟が醸す「福祝」の動きにこれから益々目が離せなくなりそうです!

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(左から製造統括 藤平典久 専務、麹師 藤平淳三 常務)

千葉県 君津市 久留里の名酒「福祝」>>>ご購入はこちら

はせがわ酒店×永井酒造 オリジナル限定酒 仕込んでます!

群馬県川場村にある永井酒造。高品質な山田錦や、地元の酒米を大切に名酒「水芭蕉」「谷川岳」を醸します。名前の通り、清らかで清潔感のある口当たり、綺麗な果実香と上品な味わいが優しく広がります。

近年では「ナガイスタイル」と銘打ち、フランスの星付きレストランをはじめ、美食のシーンで日本酒の新たな楽しみ方を広め、またスパークリング日本酒にこれまでに無かった価値とクオリティを提案する「awa酒」を牽引する存在としてますます注目を集めています。

そんな永井酒造と私たちはせがわ酒店の限定酒が、なんと近々誕生する予定です!代表の長谷川が永井酒造を訪れた際に、群馬からもっと注目を集めるような美酒が生まれて欲しいと言う事を蔵元に伝え、話がスタートしました。

今回のお酒の注目すべきところは、麹に兵庫県三木市産の上質な山田錦、掛米に川場村産ブランドコシヒカリの雪ほたかを使用しているところ。いずれも高品質を目指し、田園風景を未来に受け継いでいくことを掲げ、タッグを組んできた契約農家のお米です。栽培時から熱い想いが込められています。

雪ほたかはかつて川場村の村民の間で消費され一般流通しなかった幻の米。2004年よりブランド化を目指し活動を続けた結果「全国米・食味分析鑑定コンクール」にて連続金賞受賞、最近話題の世界最高米への採用など、高い評価を受けています。

世界を見据え永井酒造が培ってきた酒造りの経験と地元川場村の人々の取り組みが生み出すあらたな1本を是非お楽しみに!

現在、絶賛仕込中ですが、その様子を少しご紹介致します。

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写真は仲仕込みの様子です。雪ほたかの旨味を引き出すべく、吸水は多め。狙い通り、やや柔らかめの蒸米に仕上がっているそう。留仕込みの際は逆に吸水を控える予定との事です。

現在、醪の発酵は中盤を迎えています。元気よく炭酸ガスの泡が弾けアルコールも10%を超えてきており、仕込室には吟醸香が漂うようになっているそうです!出来上がるのが楽しみですね☆