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加茂錦について知る。

新潟県新潟市で醸される「加茂錦」。最近、はせがわ酒店で大注目のお酒です。

加茂錦を造る田中 悠一さんをお招きし、加茂錦についてセミナーを行って頂きました。

初めて造りに携わったのが26BY。今年3年目を迎えてさらなる進化を遂げる

弱冠24歳の若き造り手がどう日本酒造りに向き合っているのか、

貴重なお話を伺う事が出来ました。

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■ 蔵の危機 ■

加茂錦酒造は明治26年(1893年)創業、120年以上の歴史を持ちます。

しかし新潟に代表される吟醸酒ブームが去り、さらにはバブルの終焉に直面し、

徐々に売上は減少。最近まで廃業の危機に直面していました。

10年前に経営を引き継いだ悠一さんのお父さんが「このままではいけない」

「新潟の酒と言うだけで売れる時代は終わった」とまず行動を起こします。

全国の人気蔵のお酒を端から集めてきき酒し、何が必要なのかを知ろうとしました。

当時大学生だった悠一さんも自然とお父さんのきき酒に付き合うようになり、

数え切れないほどの利き酒体験から、次第に日本酒へ惹かれていく様になります。

それぞれの酒の味わいを独自の観点から分析。オリジナルのチャートへ振り分け、

近年の日本酒ブームの潮流を俯瞰的に捉えようとしました。

次第に自分でも日本酒を造ってみたいと思うようになり、最初は大学の春休みや

夏休みに蔵の手伝いをするようになり、大学3年の時、両親の猛反対を押し切り休学。

本格的に酒造りに取り組むことにしました。

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■ 新・加茂錦 ■

悠一さんの参加で本格的に再出発する事となった加茂錦ですが

その時に立てた目標が、1年で東京の有名酒販店に並べて貰える酒質にすると言う事。

しかし、きき酒にはそこそこの自信はあるものの、造り方は全然分かりません。

そこでお父さんから課題が与えられます。それは、日本醸造協会が発行する

業界紙(分厚い論文集)を過去20年間分を含めすべて読破する事でした。

全く分からない専門用語と格闘する日々。ネットでその都度検索し、

合間に日本酒関連のテレビ番組を漁り、少しずつ理解出来る様になっていきました。

ただ、勉強はしても造ってみると出来るのは理想とはほど遠いお酒ばかり。

そんな中、突破口となる出来事が訪れます。

大好きだった獺祭が特集されたテレビ番組を見ていたとき、

醪の経過表が画面の隅に映っていたのを見つけます。

拡大してみるとなんとか数値が判別できました。

それをエクセルに落とし込み、自分たちの酒造りと見比べたときに

それまでのやり方が明らかに間違っていた事に気付かされたのです。

同業者にも、消費者にも包み隠さずオープンにした酒造りを行う

獺祭の桜井博志会長にはいくら感謝してもし足りない想いとの事でした。

この出来事がきっかけとなり人気蔵の造りを徹底的に調べ、

真似をしてみるという事に取り組みました。

同時に数知れない実験を繰り返していきます。

例えばしぼり初めから搾り終わりまでずっとヤブタに張り付いて、

搾られて出てくるお酒を利き酒します。すると荒走り、中取り、責めの中にも

良いところ、駄目なところがあるのに気付いたと言います。

また、無数にある酵母の組み合わせを実験検証したり、

小さな仕込が良いといわれるのが本当か極端に小さな仕込と大きな仕込で比べたり、

人気蔵の酒母タンクに共通する比率を見つけ出したり、およそ通常では気付かない、

気にしない様な事まで徹底的に調べ尽くして良いものを貪欲に取り入れています。

また、元々器械に強い所を活かし、酒米のオリジナル浸漬装置や、

麹室はオンラインを通じて遠隔操作で温度・湿度管理ができるよう

プログラミングしたシステムなどを自作しています。

搾りに関しても、予め設定した圧力になると自動的に

荒・中・責めでバルブが切り替わる仕組みを考案しています。

こういった工夫で加茂錦酒造では酒造りに最適な環境を実現しています。

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■ 加茂錦が目指す味わい ■

悠一さんが目指している味わいはシンプルに言うと、

「アルコールを感じさせない柔らかくスムースな飲み心地のお酒」。

実際に飲んでみると、どのお酒にも共通してそのような印象を受けます。

はじまりこそ経済的に苦しい中でのスタートでしたが、お父さんの存在や、

悠一さんの努力と資質が巧く重なって、新たな加茂錦をしっかりと生み出しました。

現在は実験を繰り返し、出来の良いものを選抜・製品化したお酒が

各地の酒販店で販売されています。

ようやく認識され始めたばかりのブランドですが、

その成長は非常にスピーディで、これからの展開がますます楽しみです。

数年後には入手困難になっているかも!?

ぜひ皆様も加茂錦を味わって次世代の風を感じてみてはいかがでしょうか。

 

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